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[フォワード・ストラテジー――――魔法戦術学序論](1/11)
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 いつもの機動六課を通り過ぎる秋風は涼しく、フォワード陣の訓練も日々着実にレベルがアップしている。フォワード陣だけでもある程度の次元犯罪者との戦いはすでに捌けるようになっているだろう。
 いつもと違うのは、その教導官の態度が少しそわしなく、そしてイライラしているように見えることか。
「ねぇ、和音、なのはさんの機嫌悪くない?」
「うん……きっとフェイトさんがいないからだよ」
「フェイトさん、あと何日いないんだっけ?」
「3日。大丈夫かな……あと3日、これより酷い教導なんて」
「大丈夫だと思うよ、きっとね。その後のなのはさん優しいだろうし」
「楽天的でいいね、初音は」
「ちょっと、それどういう意味よ」
 訓練が終わり、いつもより手厳しい模擬戦となった朝練を振り返りながらのストレッチで和音が初音に語りかける。初音はひそひそ声でそれに答えながら、ストレッチをする手足を休めない。
 実際、初音の言うようにフェイトが執務官としての仕事で一週間六課から取られて4日目となる今日まで、なのはの機嫌は日に日に悪くなっているように見えた。それはフォワード陣全員が気付いており、なるべくなのはの機嫌を損なわないように各自努力している。模擬戦で痛い目にあうくらいなら、そうしていたほうがはるかにマシだからだ。
「流……お前も大変らしいじゃねーか」
「はい、さすがにヴィヴィオの世話をしている自分に嫉妬心を向けられても困るのですが……」
 響介も同じように流に語りかける。ヴィヴィオの世話をしている流にもなのはのイライラが飛んできているらしい。
「そっか……まぁ、あと3日の辛抱だろ?」
「そうなんですが……あと、3日も耐えられるか、厳しいところです」
 遠く離れた空を見ながら流がそうつぶやくのを見て、響介はこいつもこいつで大変なんだな、と改めて思う。その空は揺れる雲に覆われていて、ゆるい太陽の光が雲間から差し込んでいた。涼しげな空気とその雲が、どんよりとした雨雲のような自分たちの心情とははるかにかけ離れていて、ふとみんな溜息をついていた。






「あ、みんな、ちょっといい?」
 やはりいつもより無愛想な顔をして、そこらの連中で噂になっていたその人が姿をあらわす。とたんに訓練後のゆるい空気になっていたあたりが緊迫し、全員が総立ちになって起立の姿勢を崩さない。
「はいっ、なのはさん、どうしましたか!?」
 少し離れたところで反省会――先ほどの響介ら4人と模擬戦を行い、あえなく各個撃破されたスバル、ティアナ、エリオ、キャロの少し長い――をしていたスバルたちもやってきて、ぴしっと一列に揃う。それがなのはを喜ばせたのか、すこし頬を緩めた彼女笑顔をみて、皆嬉しそうな表情をそろえる。
「今日の午後からなんだけど、今フェイトちゃ、ごほん、執務官いないでしょ? シャーリーもフェイト執務官について行っちゃってるから、今デバイスの調整できる人限られてるんだよ……それでね、昔六課にも顔を出していた知り合いの人がいるから、その人の所にデバイス持って行ってくれるかな?」
 なのはの言葉に、とりあえず今日一日は地獄を見ずに済みそうだ、と思う。
「それで、その方ってどなたなんですか? ユーノ・スクライア無限書庫司書長?」
 ティアナがなのはに尋ねる。
「ううん、アルトセイム大学に今いる人でね、私もよくレイジングハートを見てもらってたりするんだよね。それで、何気にさっきの模擬戦が行ってもらう人選だったりして、さっき勝った4人に行ってもらおうかな。私のレイジングハートもオーバーホールお願いしてるから、預かってもらえるかな? あ、それからこの後4人はオフシフトだから、自由に時間使ってね」
「はいっ、しっかりと預からせて頂きます」
 流がなのはからレイジングハートを受け取り、ポケットに入れる。
「それで、なのはさん、私達は何をするんでしょうか?」
 ちょっとした任務を言い渡された4人とは別に、まだ何も言われてないティアナらが尋ねる。
「うん、4人は今朝の敗戦があるから、私とのデバイス無しの耐久模擬戦だよ♪」
「え、えぇ〜」
 あ、確実にストレスの発散に使われるんだな、と思ってティアナらに同情しつつも、4人はその場を離れてアルトセイム大学への道についた。

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